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イントラリポス輸液10%の製品Q&A
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イントラリポス輸液は、末梢静脈ルートまたは中心静脈ルートから単独で投与するのが基本です。
やむを得ず持続投与中の栄養輸液の側管から同時に投与することもあります。
その場合、配合変化を避けるため、持続投与中の栄養輸液には糖・電解質・アミノ酸・ビタミン・微量元素以外の治療薬を混注しないでください。
また、脂肪粒子は0.2μmのフィルターを通過しないため、中心静脈栄養の側管投与の場合はフィルターよりも患者側の側管に接続するようご注意ください。【同時投与】
【参考】 脂肪乳剤関連情報
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添付文書通り、10%製剤は 500 mL を 3時間以上かけて、20%製剤は 250 mL を3時間以上かけて、20% 100 mL製剤は、72分以上かけて投与します。この速度より速く投与すると、発熱・悪心等の副作用が増えたという報告(医療用医薬品再評価その13)があります 1) 。
なお、近年の代謝研究から、脂肪として 0.1g/kg/hr 以下の速度で投与するのが望ましいとの意見もあります。この投与速度は、入山らの報告に基づくもので、正常血清脂質値の被験者3例に対し 0.5g/kg/hr の投与速度で脂質を30分間投与し、血中トリグリセライド値を 500mg/dL に設定しました。その後、投与速度を0.1あるいは 0.3g/kg/hr に変更したという試験を行っています(表1)。その結果、脂肪乳剤の投与速度が 0.3g/kg/hr では血中トリグリセリド値の上昇を認めましたが、0.1g/kg/hr の投与速度では血中トリグリセリド値の上昇は認めませんでした。このことから 0.1g/kg/hr 以下がより適切であるとしています 2) 3) 。
図1 2種類の投与速度における血中TG値 2)
1) 昭和52年10月28日 薬発第1226号(第一次再評価結果その13)
2) 編集/日本静脈経腸栄養学会:静脈経腸栄養ガイドライン-第3版-,照林社2013:p41
3) lriyama,K.et al.:Nutrition 1991;1991;7(5):355-357【MX30591E01】
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漏出を発見した場合には、① 点滴の中止、② 漏出液の吸引、③ 疼痛コントロール (患部挙上、Cooling など) と共に、速やかに専門医へコンサルトすること 1) をお勧めします。
このように対処は原則として、① 原因薬液の排泄、② 組織内の圧迫や腫脹を軽減し虚血を防ぐこと、③ 消炎を目的として行われ 2)、輸液の種類に関わらず対処方法は同じです。
血管外漏出後、皮膚障害につながらないようにすることが大切です。
なお、弊社の会員サイト (要 登録) には、「栄養輸液の血管外漏出による重篤な皮膚障害」の資料があります。
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1) 堀切 将,他:形成外科,2009;52(9):1099-1106【ZA30509I03】
2) 寺内雅美,他:皮膚科の臨床,2011;53(1):84-85【ZA30511A01】
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細い静脈針でも投与はできますが、脂肪乳剤は生食などに比べて若干粘度が高いので細い針を通過しにくいと考えられます。そのため、24G のような細いゲージの静脈針で細い静脈に投与する場合、点滴速度が遅くなることがあります。