Vol.10
術中胃内減圧を目的とした胃管挿入の 課題とタムガイド®使用のポイント
徳島大学大学院 医歯薬学研究部 麻酔疼痛治療医学 教授 田中 克哉
徳島大学病院 手術部 助教 川西 良典
全身麻酔下腹部手術を中心とした手術において、術中の安全性確保並びに良好な術野確保を目的として減圧用チューブ(以下、チューブ)の挿入を、当院では行っている。近年、腹腔鏡手術やロボット支援手術の増加に伴い、視野確保のための胃内減圧の重要性がより高まっている。
一方で、チューブ挿入経路には主に咽頭部(食道入口部)と噴門部(食道胃接合部)の挿入困難部位が存在し、全身麻酔下においては、患者の嚥下反射等が消失しているためチューブ挿入に難渋することがある。また、Watkinらの報告では集中治療室に入院した患者において、チューブ挿入後のX線検査で先端位置異常(合併症)を確認した症例は512例中64例(12. 5%)で、そのうちの43例(67. 2%)は人工呼吸器管理下の患者であった。つまり、全身麻酔下の気管挿管患者にチューブ挿入を行う際、合併症リスクが高いことを示唆している。1)
そこで、麻酔下並びに即対応が難しい医療環境下において、チューブ挿入をより安全で確実に行うため、ファイバー先端の赤色光を体表からリアルタイムに把握する目的で「タムガイド®」を導入した。
1) D.Watkin.et al.:Radiography.2025;31(3):102941



