メディカルフーズの開発

山岡 一平

健康を願うすべての方々が
栄養摂取において不利益を被らない社会を目指す

メディカルフーズ研究所 所長

山岡 一平

メディカルフーズ研究所の今の社会において果たすべき役割

メディカルフーズ研究所の今の社会において果たすべき役割

私たちは、健康を願うすべての方々が栄養摂取において不利益を被らない社会を目指しています。
現代において医療技術や治療法は大きく進歩していますが、栄養は重要性が認識されていながらも、医学的根拠に基づいて十分に活用されているとはまだ言い難い状況です。加齢や病気によって適切な栄養選択が難しくなり、栄養摂取の機会に格差が生じている現実もあります。このような状況下で、私たちは医学的・栄養学的根拠に基づいた食品の研究・開発を通じ、医療や介護、生活の場で安心して使える「栄養摂取の選択肢」を提供することが役割であり、培った知見と信頼を社会へ還元していくことを既存事業の価値の最大化ととらえ、新たな医療・ヘルスケア領域へと事業を展開しています。

研究段階から、医療者・高齢者・家族など、誰が使っても迷わない製品設計をすることが重要だと考えています。経口補水療法では「飲めるかどうか」ではなく「救えるかどうか」を見据え、誤った選択による不利益をなくすことを目指しています。また経管栄養では、下痢・誤嚥といった小さなトラブルが患者さんにとって生きる力を奪う苦痛になるため、患者さんと医療者・ご家族双方の負担を最小限に抑え、無理なく安全に続けられる栄養管理の実現を使命としています。

今後も、医学的・栄養学的根拠を基盤とした食品の研究・開発を通じて、医療や介護、さらには生活の場で信頼され、安心して使われる「栄養摂取の機会・選択肢」を提供することで、誰もが治療や生活を前向きに考えられる環境づくりを目指してまいります。

製薬会社の研究所ならではの強み

当研究所の機能は「研究・製品開発・社会実装」の三つに大別されます。メディカルフーズの研究とは、「この食品を患者さんが摂取することにどんな意味があるのか」を医学的知見と根拠に基づいて評価し定義することです。そして、医療・介護や生活の場で誰が使っても同じ価値を提供できる製品を開発し、それが社会で当たり前に「使われ続ける」仕組みを作ることが私たちの最終的な責務だと考えています。真理を追究する研究、現場に寄り添う製品、人に届ける社会実装を三位一体で推進する姿勢は、食品会社や学術機関にはない、私たち独自のアプローチだと考えています。

私たちの最大の強みは、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士といった医療者の判断基準や現場の現実を深く理解した上で、食品と情報の設計ができる点にあります。製薬研究では、「結果を誇張しない」「都合の悪いデータも捨てない」「効果の限界を明示する」という厳格な倫理観が求められます。この倫理観の基に私たちが食品を開発することは、健康を願う人々に誤った期待を与えず、医療者が安心して推奨でき、長期的な社会的信頼を損なわないという点で、大きな社会的意義を持つと考えています。

製薬会社の研究所ならではの強み

患者さんやご家族の「生きる力」や「喜び」をどう支えるか

患者さんやご家族の「生きる力」や「喜び」をどう支えるか

私たちが考える「生きる力」とは、単に生命を維持することではありません。加齢や病気によって「食べられない」「食事が苦痛だ」といった状況は、患者さんの尊厳や自信を奪ってしまいます。だからこそ、その時々の身体の状態に寄り添い、「これなら自分にもできる」と無理なく思える形で、栄養を“負担”ではなく“味方”として届けることを目指しています。

同時に、患者さんを支えるご家族もまた、「自分の選択が正しいのか」という不安や恐れを抱えています。私たちは、医学的・栄養学的根拠が明確で、医療者がしっかりと説明できる食品を提供することで、ご家族が過度なプレッシャーを背負うことなく、「自分の行動が確かに支えになっている」という安心と納得をお届けしたいと考えています。

私たちが支えたい「喜び」とは、劇的な回復や数値の改善だけではなく、「食べられた」という小さな達成感や、ご家族と時間を共有できた安心感です。メディカルフーズは治療の主役ではないですが、日常を取り戻す“きっかけ”や人と人をつなぐ“媒介”になれると信じています。食を通じて人生の質(QOL)に寄り添い、患者さんとご家族が前向きに過ごせる環境づくりをこれからもサポートしていきます。

新しい価値を生み出すために大切にしている文化

研究において最も重要なのは、「誰かのためになるだろう」という思い込みで作るのではなく、「誰のどんな課題を解決し、どのような新しい未来をつくるのか」を明確にすることです。現場の需要がなければ、事業として成り立たないからです。痛みが小さく気づかれにくい課題や、大きすぎて諦められている課題を見つけ出し、自分事として捉えてから研究を始めることを大切にしています。

研究の醍醐味は、過去に例のない結果を出すことです。そのためには、過去の成功体験に囚われず、まずは自分で一歩踏み出して行動し、時には失敗から学び、常識の外へ飛び出すようなマインドを持ち続けてほしいとメンバーには伝えています。
事業の性質によって求められるアプローチも異なります。過去の延長線上にある既存事業では、過去を分析して将来を予測し、目標達成に固執する力が求められます。一方で、正解がわからない新領域では、まずやってみて顧客の反応を見ながら柔軟に方向転換する力が不可欠です。目標達成にこだわる人材と、自ら未来を創り出す人材、そして彼らを支える人々。これらが合わさることで、理想的な研究所の姿が形作られると考えています。

新しい価値を生み出すために大切にしている文化

今まさに挑戦している「次世代の製品開発」

今まさに挑戦している「次世代の製品開発」

急速に進む超高齢社会において、加齢や病気の治療によって“食べる能力”が低下した方でも、毎日の食事を楽しめる社会を実現したいと考えています。そのために私たちが挑戦しているのは、単に栄養価を満たすだけでなく、味・香り・食感といった「食の喜び」を取り戻すための製品開発です。

えん下機能や咀嚼力に応じた安全性を確保しながら、その方が本来好む味や風味を可能な限り再現し、食べるペースや感覚の変化に合わせた食感に調整します。「食べられる」だけでなく「食べたくなる」食品を提供することが目標です。食べる能力の衰えは誰にでも起こり得ますが、個々の状態や嗜好に合った食品はまだ十分ではありません。医学的・栄養学的根拠に基づき、「食べる能力に合ったおいしさ」を追求し続けています。

また、グローバルに見ると国や地域によって必要とされる栄養支援は大きく異なります。アジアでは咀嚼・えん下障害や高齢者の低栄養、米国では肥満の深刻化、欧州ではがんや慢性疾患に伴う栄養不良、アフリカ・南アジアでは栄養失調や急性脱水といった課題があります。私たちはこうした地域特性に応じた研究開発を行い、流動食や経口補水液をはじめとした、日本で培った高い品質と安全性、科学的根拠を備えた製品を、世界のニーズに合わせた形で届けていきます。

メディカルフーズの研究・製品開発

私たちは医療と栄養の知見を生かし、患者さんや医療現場の課題に向き合いながら、メディカルフーズの研究開発と製品づくりをさまざまな領域で進めています。その取り組みの一部をご紹介します。

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