リスクマネジメント
Risk Management
経営戦略としてのBCM(事業継続マネジメント)
当社は、企業理念の実現や、事業戦略の目標達成に大きな影響を与える不確実性を「リスク」と定義し、実効性のあるリスク管理活動を組織の隅々まで浸透させ、変化に対応できる強い組織になることを目指して、ERM活動をし、リスクの低減に努めています。その実現のため、当社ではリスク管理規程を定め、リスク管理委員会を設置しています。事業の継続および安定的発展に影響を及ぼすリスクの未然防止(リスクマネジメント)、インシデントが発生した場合の被害拡大防止(クライシスマネジメント)、自然災害やパンデミックなど、事業継続に大きな影響をもたらすリスクの中での事業継続計画(BCP)の3つの観点より、より強固なリスクマネジメント体制の構築に取り組んでいます。
リスク管理委員会
国際規格「ISO22301」の認証取得
大塚ホールディングス株式会社において、事業継続マネジメントシステム国際規格「ISO22301」を認証取得しており、その適用範囲に当社の主力製品である「輸液の安定供給」が含まれています。災害発生時においても、大塚グループ全体で、最大限に事業活動を継続し安定した製品供給ができる対策・体制の強化に取り組んでいます。
自然災害に備えた取り組み
当社は、南海トラフ地震による浸水被害が懸念される徳島県の生産拠点に、徳島県津波浸水想定を基に、防潮堤を設置するなど工場内への浸水を防止するための対策を講じています。鳴門工場には、生産建屋ごとに防潮扉を設置し、河川水の逆流による浸水被害を早期解消するため、排水機能の補強・改修を行っています。松茂工場には、工場敷地の外周に防潮堤を設置しました。この外周には排水口ゲートを設け、逆流による浸水から工場を守ります。また、ユーティリティー対策として、両工場ともに工業用水の配管を耐震性のあるNS形ダクタイル鋳鉄管へ更新しました。
松茂工場における外周防潮堤の設置
外周防潮堤
●全長/1,620m ●設置年月/2014年6月
●高さ/東西南面2.0m(T.P.+3.9m)、北面2.70~3.35m
●鋼管杭/径φ300~400mm、長さ17~20m、本数678本
製品の安定供給に向けて
当社の主力製品である輸液は、有事の際、初期治療で特に必要とされるものです。輸液の国内市場において過半数のシェアを占める会社として、私たちには甚大な災害下でも機能するBCPが求められます。輸液のリーディングカンパニーとして課せられた使命に鑑み、「生命の安全確保」「企業資産の保全」「製品在庫と原材料の確保」「物流手段の確保」という4つの視点からBCPに取り組み、リスクが顕在化した場合においても適切な対応を図ることにより、被害・損失を最小限に留め、事業活動を継続し、製品の安定供給を確保すべく体制を構築しています。
生命の安全確保
社員の安全確保を第一に考え、建屋・設備の耐震性の確保や緊急地震速報受信装置の設置、通信手段の多様化・多重化を図るとともに、安否確認システムによる従業員の安否確認や、従業員への有用な情報をまとめた災害時ポケットマニュアルの配布などを行っています。また全事業所に、防災用品や食料品、生活用品を備蓄する一方、社員のみならず周辺地域と一体となった防災訓練にも取り組んでいます。
企業資産の保全
大規模地震による津波浸水・液状化等の被害を軽減するため、建屋の耐震補強や防潮堤を設置しています。さらに生産工場にエネルギー(電気、蒸気、冷却水等)を供給するための配管ラックの支柱を補強するとともに、液状化時に生じる構造物の傾斜を軽減する対策を講じています。また重要データ・システムが被害を受けた際、速やかにデータを復旧できるようデータセンターを多重化し、バックアップ体制を構築しています。
製品在庫と原材料の確保
生産施設が甚大な被害を受けた場合でも、治療に欠かせない製品やシェアの高い製品については、継続して供給ができるよう、製品在庫を確保しています。また、非常時に原材料の入手が困難になることにより、当社の製品安定供給に支障が出ないよう、リスクが顕在化する前に予兆を察知し、迅速に対応するため、平時より原材料の適正在庫の確保と複数社購買に取り組んでいます。
物流手段の確保
大塚グループの物流を担う大塚倉庫株式会社は、物流拠点・製品在庫の分散化やネットワークの構築、新たな在庫拠点の確保、受注センターの多重化、配送ルートの多様化など、全国の拠点ネットワークを生かし、万一の際にも迅速に物流サービスを提供できる体制を整備しています。
また、生産施設と拠点倉庫を結ぶテレビ会議システムを構築し、緊急時に迅速な対応ができる体制を整えています。
地域住民や自治体との先進的な取り組み
内閣府発行の「平成28年版防災白書」に「大塚製薬工場と周辺自主防災会」の取り組みが掲載
地域住民や自治体との先進的な取り組みが評価され、自治体からの推薦を受け、内閣府が推進する地区防災計画の「平成27年度地区防災計画モデル地区」に「大塚製薬工場と周辺自主防災会」が選ばれました。そして、私たちの活動が、地元企業と地域自治会の連携による特徴的な取り組みとして、内閣府発行の「平成28年版防災白書」で紹介されました。私たちは、これからもより一層地域と連携し、防災に向けた先進的な取り組みを強化していきます。
当社が掲載されている「平成28年版防災白書」第1部第1章第3節3-3へ
地域住民と連携した防災体制
海岸にほど近い本社では、津波一時避難場所として地域住民に工場建屋の屋上を利用していただくとともに、防災用品、生活用品等の備蓄品の保管場所を提供しています。地域住民や関係者に対して、私たちのBCPの取り組みに関する説明会や施設見学会などのワークショップを開催するとともに、合同津波避難訓練などを実施し、地域と連携した住民参加型の防災活動を行っています。
自治体との積極的な防災連携
災害時に備え、本社および全ての生産拠点において、地元自治体と防災協定を締結※しています。
自治体の管轄内で大規模な災害が発生した、もしくは発生する恐れがある時に、自治体が実施する災害応急対策への協力として、調達可能な物資の供給や津波一時避難場所としての施設の提供など、当社がさまざまな協力を迅速に行うことを取り決めています。
- 2012年に徳島県鳴門市、2013年に徳島県板野郡松茂町、2019年に富山県射水市、2020年に北海道釧路市と防災協定を締結しています。
徳島県企業BCP認定企業第1号
徳島県は、南海トラフ巨大地震等の大規模災害の発生に備えて、実践力の高い企業BCPの策定を促進することにより、県内企業の事業継続力および災害対応力の向上を図ることを目的として「徳島県企業BCP認定制度」を運営しており、当社はその第1号の認定を受け、現在に至るまで認定を更新しています。