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医薬品・医療機器の開発

新製品の開発と付加価値情報の創出を通じて
グローバル規模で医療現場に貢献する

執行役員 研究開発センター長
工学博士 黒田 晃功

(所属部署、役職名は取材当時のものです)

当社の研究開発センターには「新製品の開発と付加価値情報の創出を通じてグローバル規模で医療現場に貢献すると共に会社の成長に寄与する」という目標があり、この実現に向けて一致団結して日々の研究開発活動に取り組んでいます。

研究開発センターは、新しい医薬品や医療機器のタネを発案し非臨床試験による評価を担当する鳴門研究所、それを引き継ぎ臨床試験(治験)によって有効性と安全性を証明する業務を担当する開発部、市販後製品のメディカルプランの策定とエビデンス創出、社外医科学専門家との共同活動を担うメディカルアフェアーズ部の3つの主要部門にて構成されています。

さらに開発テーマの総指揮を執る各プロジェクトのプロジェクトマネージャーやグローバル製品戦略を検討するメンバーなどが在籍し、それぞれの専門知識・スキルを発揮しながら日々の研究開発活動に取り組んでいます。米国を中心としたグローバル事業展開を目指すとともに革新的な治療法を提供にもチャレンジしています。

皆さんにとって大塚製薬工場とはどういうイメージでしょうか。「輸液」や「栄養」に強みを持つ会社であることはご存じかも知れません。実は「輸液」をはじめとする臨床栄養は、疾患を問わずほぼすべての診療科で必要とされています。

そのため私たちは輸液・栄養を通じて幅広い診療科にコンタクトすることができます。診療科の枠を超えてさまざまな医療の場とつながりコミュニケーションを図ることができる。これは当社の大きな強みであると言えるでしょう。

また、研究開発センターには「鳴門研究所」、「開発部」、「メディカルアフェアーズ(MA)部」があることで、創薬段階から市販後製品の育薬まで一貫性をもった研究開発に取り組むことが可能です。

例えば、非臨床で探索研究を進める鳴門研究所のメンバーが、探索段階から臨床現場に近い開発部やMAのメンバーとディスカッションすることで、早期に課題に気づき改善につなげることが可能です。

この一貫性のある組織構成によって製品化のプロセスが円滑になることはもとより、臨床現場から新たなニーズや課題を拾い上げやすく次世代製品の開発に向けて迅速なフィードバックにもつなげることができるわけです。

すなわち様々な疾患領域にコンタクトができ、そのニーズや課題を拾い上げやすい一貫性のある組織構成になっている。これが私たち研究開発センターの特徴の1つです。

臨床栄養をベースに、グローバルにも飛躍する

臨床栄養をベースに、
グローバルにも飛躍する

輸液・栄養は、疾患を問わずほぼすべての診療科で必要とされていることは既に述べましたが、このことは日本に限ったことではなくグローバル視点でも同様です。

私たちの会社はアジア・アラブ圏を中心にグローバル化を進めてきていましたが、新たに米国への事業進出を決めました。研究開発センターとしては、すでに米国開発を目指した複数のテーマを進めているのですが、この会社方針に則りより強く役割を果たしていきたいと考えています。

大塚製薬工場としてフラッグシップとなるような製品を開発し、MA活動による最新情報の提供と医療関係者とのディスカッションを組み合わせることでグローバルでも十分に戦っていけると確信しています。

新たな領域で、革新的なチャレンジを進めている

新たな領域で、革新的なチャレンジを進めている

臨床栄養にとどまらない、その先を見据えた取り組みのひとつとして、米国の拠点で糖尿病治療用のバイオ人工膵島の開発を進めています。

これは、感染性の病原体が存在しない環境で飼育されたブタの膵島をカプセルに閉じ込めた移植用カプセル化ブタ膵島で、糖尿病患者の腹腔内に移植し、インスリンを補充するという非常にユニークなものです。治療に難渋する重症I型糖尿病治療の新たな選択肢として期待されています。

また、世界的なトレンドとなっている抗肥満薬についても全く新しいメカニズムを持つ化合物を創生し、米国での開発をスタートさせています。

研究開発センターの使命:高いスキルの人材の育成

研究開発センターの使命:高いスキルの人材の育成

研究開発を進めるためには人材の育成は欠かせません。新しい医薬品や医療機器の開発には、研究開発センターの各部署だけでなく、薬事部門や製剤・技術部門、安全性や品質に関わる部門、そして工場まで実に多くの部門・部署が緊密に連携する必要があります。

製品開発を成功させるために研究開発センター直属のプロジェクトマネージャー(PM)が責任者となってプロジェクト全体を統括します。PMには高いレベルの医学的知識や豊富な経験・粘り強さに加えてコミュニケーション能力も求められます。プロジェクトの推進はもとより、それぞれの専門業務を通じて豊富な経験と豊かな感性を持つ人材を育成することは研究開発センターの重要な使命のひとつなのです。

私たちは、「新製品の開発と付加価値情報の創出を通じてグローバル規模で医療現場に貢献する」という目標をめざし、医療現場に近い会社であり続けることはもちろんのこと、新しいことにもアグレッシブにチャレンジする研究開発組織でありたいと考えています。

執行役員 研究開発センター長 工学博士 黒田 晃功

研究開発センターの使命:高いスキルの人材の育成

執行役員 研究開発センター長 工学博士 黒田 晃功